1第二項 外界に對する信徒の務 2誰をも罵らず、争を好まず、寛仁にして凡ての人に對して所有温和を顕す事を忘れざらしめよ。 3蓋我等も、曾て無知不信心にして、迷ひて様々の慾望と快樂との奴隷と成り、惡と嫉妬との中に生活し、憎まるべくして相憎む者なりき。 4然れども我救主にて在す神の慈恵と仁愛との顕るるに及び、 5我等が行ひし義の業によらず、御慈悲によりて聖霊の賜ふ再生と一新との水洗を以、我等を救給、 6我救主イエズス、キリストを以て、聖霊を豊に我等に濯ぎ給ひしは、 7我等が其恩寵によりて義とせられ、永遠の生命の希望に於る世嗣と成らん為なり。 8是眞實の談にして、我之に就きて汝の断言せん事を欲す、其は神を信じ奉る人々をして、励みて善業に從事せしめん為なり。斯る業こそは善良にして人に益ある事なれ。 9愚なる問題と系圖と、争論と律法上の争とを避けよ、其は無益にして、空しければなり。 10異説者を一度二度訓戒して後は之に遠ざかれ、 11其は斯の如き人の罪せらるるは、自らの判断にもよることなれば、邪にして誤れる者なる事を知ればなり。 ¶ 12結末 13法律家なるゼナ及びアポルロを手厚く送りて、足らざる事なからしめよ。 14斯て我等の[兄弟等]も、果を結ばざる者と成らざらん為、[兄弟の]必要に應じて善業に從事する事を學ぶべし。 15我と共に居る人々、皆汝に宜しくと言へり。信仰に於て我等を愛する人々に宜しく傳へよ。願はくは神の恩寵汝等一同と共に在らんことを、アメン。 ¶