1第四款 イエズスの司祭的祈祷 2其は父より賜はりし人々に永遠の生命を與へしめんとて、之に萬民の上に権能を賜ひたればなり。 3抑永遠の生命は、唯一の眞の神にて在す汝と、其遣はし給へるイエズス、キリストとを知るに在り。 4我は地上にて汝に光榮あらしめ、我に為さしめんとて賜ひし業を全うせり。 5父よ、世界の存在に前だちて我が汝と共に有せし光榮を以て、今汝と共に我に光榮あらしめ給へ。 6我は、此世より選みて我に賜ひし人々に御名を顕せり。彼等汝のものたりしに之を我に賜ひ、彼等は汝の言を守り、 7我に賜ひし事悉く汝より出づることを今にして暁れり。 8蓋我に賜ひし言を我彼等に授け、彼等は之を受けて、深く我が汝より出でたるを暁り、汝の我に遣はし給ひしことを信ぜり。 9我彼等の為に祈る。我が祈るは世の為に非ずして、我に賜ひたる人々の為なり、彼等は汝のものなればなり。 10我ものは悉く汝のもの、汝のものは我ものにして、我彼等の中に光榮を得たり。 11我最早世に居らず、彼等は世に居り、我は汝に至る。聖なる父よ、我に賜ひたる人々を御名を以て護り給へ、是我等の如く彼等も一ならん為なり。 12我彼等と共なりし間、御名を以て彼等を護り居たりしが、我に賜ひたる人々を保ち、其中の一人も失せず、唯聖書の成就せん為に、亡の子の失せたるのみ。 13今は我汝に至る、世に在りて斯く語るは、我喜を彼等の身に円満ならしめんが為なり。 14我は御言を彼等に授け、世は彼等を憎めり、是は我も世のものに非ざる如く、彼等は世のものに非ざればなり。 15我が祈るは彼等を世より取去り給へとには非ず、彼等を護りて惡を逃れしめ給へとなり。 16我も世のものに非ざる如く、彼等は世のものに非ず、 17願くは彼等を眞理の中に聖ならしめ給へ、御言は即ち眞理なり、 18我を世に遣はし給ひし如く、我も彼等を世に遣はせり、 19且彼等をも眞理の中に聖ならしめんとして、彼等の為に己を聖ならしむ。 20我が祈るは彼等の為のみならず、又彼等の言によりて我を信ずる人々の為にして、 21彼等が悉く一ならん為なり。父よ、是汝の我に在し我が汝に居るが如く、彼等も我等に居りて一ならん為にして、汝の我を遣はし給ひし事を世に信ぜしめんとてなり。 22我に賜ひし光榮を我彼等に與へたり、是は我等の一なるが如く、彼等も一ならん為なり。 23我彼等に居り汝我に在す、是は彼等が一に全うせられん為、又汝の我を遣はし給ひし事と、我を愛し給ひし如く彼等をも愛し給ひし事とを、世の暁らん為なり。 24父よ、願くは我に賜ひし人々も、我が居る處に我と共ならん事を、是世界開闢以前より我を愛し給ひて我に賜ひたる我光榮を、彼等に見せん為なり。 25正しき父よ、世は汝を知らざれども我は汝を知り、彼等も亦汝の我を遣はし給ひしことを知れり。 26我は御名を彼等に知らせたり、又知らせんとす、是我を愛し給ひたる愛の彼等に存して、我も彼等に居らん為なり、[と曰へり]。 ¶