1第二款 キリストは其司祭職の執行を以て舊約の司祭に優り給ふ 2聖所の役者にして、人の立てしにはあらで主の立て給ひし、眞の幕屋の役者にて在す。 3夫総て大司祭の立てらるるは、供物と犠牲とを献げん為なれば、彼も亦必ず献ぐべき何者かを有し給はざるべからず。 4若地上に居給はば司祭と成り給はざるべし、其は律法に從ひて供物を献ぐる人々既にあればなり。 5此人々は、在天の事物の模、及び影に奉事するのみ、恰もモイゼが幕屋を造らんとせし時に告げられしが如し、曰く、「看よ、何事も山に於て汝に示されし模型に從ひて之を為せ」と。 6然れど我等の大司祭が現に尚善き聖役を得給ひしは、尚善き約束を以て保證せられたる、尚善き契約の仲介者たるに應じてなり。 7蓋彼第一の契約に缺點なかりせば、第二のものを立つる餘地なかるべしと雖も、 8[神]人々を咎めて曰ひけるは、「主曰く、看よ、日來らんとす、而して我イスラエルの家の上、又ユダの家の上に新約を全うすべし、 9是我が彼等の先祖をエジプトの地より救出さんとて其手を取りし時、之に為しし約の如きものに非ず、蓋彼等は我約に止らざりしかば、我も亦彼等を顧みざりき、と主曰へり。 10即ち主曰はく、彼日の後、イスラエルの家に我が立てんとする約は斯なり、我律法を其精神に置き、之を其心に書記さん、而して我は彼等に神と成り、彼等は我に民と成るべし。 11又各其近き者、其兄弟に教へて、主を知れと言ふ事あらじ、其は小き者より大いなる者に至るまで悉く我を知るべければなり。 12蓋我彼等の不義を憫み、曾て其罪を記憶せざるべし」と。 13然て新と曰へば、前のものを舊とし給ひしなり、舊にして老衰せるものは亡に近し。 ¶