1第二項 施の性質及び好果 2汝等の志の趣けるを知ればなり。是によりて我、アカヤ[州]は昨年より既に準備せりとて、マケドニア人の前に汝等を以て誇と為す、斯て汝等の奮發は夥しき人々を励ましたるなり。 3然るを我が兄弟等を遣はしたるは、曾て汝等に就きて誇る事の此點に於て空しからず、既に言へる如く準備の成らん為なり。 4若マケドニア人我と共に至りて、汝等の準備の未成らざるを見ば、此點に於て、汝等は言ふに及ばず、恐くは我等も赤面するならん。 5故に我兄弟等に請ひて、先ちて汝等に至り、既に約束せられし醵金を、吝むが如くにせず恵むが如くにして、豫め備置かしめん事を必要と思へり。 6是に於て我は言ふ、吝みて少く蒔く人は亦少く刈り、豊に蒔く人は亦豊に刈らん。 7各心に決せし如く、吝まず、止むを得ざるに出でずして施すべし、神は喜びて與ふる人を嘉し給へばなり。 8抑神は能く凡ての恩寵を汝等の中に溢れしめ、汝等をして何時も萬事に十分ならざる所なく、凡ての善業に豊ならしむることを得給ふ、 9録して、「[義人]蒔散らして貧人に與へたり、其義は世々に存す」、とあるが如し。 10然て蒔く人に種を賜ふ者は食すべき麪をも賜ひ、汝等の種を殖し、且汝等の義の結ぶ果を増し給ふべし。 11斯て汝等が萬事に富み、総て快く施すを以て、人は我等に就きて神に感謝し奉るに至らん。 12蓋此祭務を行ふは、聖徒等の缺乏を補ふ耳ならず、尚又主に對して多くの感謝を豊ならしむるなり。 13即ち聖徒等は此務を證據として、汝等がキリストの福音に對して顕す所の服從、及び彼等にも凡ての人にも快く施せる事に就きて、神に光榮を歸し奉らん。 14又神の汝等に賜ひし勝れたる恩寵に就き、汝等を慕ひて汝等の為に祈らん。 15言盡し難き御賜に就きて神に感謝し奉るべし。 ¶