1第二項 信者間の訴訟 2聖徒は此世を審くべき者なりと知らずや、然れば世は汝等より審かるべきに、汝等は、極めて些細なる事を審くに足らざるか。 3知らずや我等は天使等を審くべき者なり、况や世の事をや。 4故に若審くべき此世の事件あらば、之を審く為に教會内の卑しき人々を立てよ。 5斯く言へるは汝等を辱しめんとてなり。然らば其兄弟の間の事を審くべき賢き者、汝等の中に一人も在らざるか。 6然るを兄弟兄弟を相手取りて、而も不信者の前に訴訟を起す。 7互に訴訟のある事すら、既に疑もなく汝等の中の失態なり。何故に寧不義を受けざる、何故に寧害を忍ばざる、 8却て汝等自ら不義と詐欺とを為し、而も兄弟に對して之を為せるは何ぞや。 9不義者は神の國を得る事なしと知らずや。誤ること勿れ、私通者も、偶像崇拝者も、姦淫者も、 10男娼も、男色者も、盗賊も、貪慾者も、酩酊者も、侮辱者も、掠奪者も、神の國を得ざるべし。 11汝等の中の或人々、曩には斯の如き者なりしかど、我主イエズス、キリストの御名により、又我神の霊によりて、既に洗潔められ、聖とせられ、義とせられたり。 12何事も我に可なりと雖も、皆益あるには非ず。何事も我に可なりと雖も、我は決して何物の奴隷ともならじ。 13食物は腹の為、腹は食物の為なれども、神は此も彼も共に亡ぼし給ふべし。肉體は私通の為に非ずして主の為なり、主も亦肉體の為なり。 14抑神は主を復活せしめ給ひたれば、御能力を以て我等をも亦復活せしめ給ふべし。 15汝等の體はキリストの肢なりと知らずや、然らばキリストの肢を奪ひて娼婦の肢と為さんか、[否々]。 16娼婦に着く人は之と一體になると知らずや、即ち曰く、「二人一體に在らん」と、 17然れど主に着く人は一の霊となるなり。 18私通を避けよ、人の犯す罪は何れも身の外に在れども、私通する人は己が身を犯すなり。 19又汝等の五體は神より賜はりて、汝等の中に在す聖霊の神殿なる事、汝等が汝等自らのものに非ざる事を知らざるか。 20蓋汝等は高價を以て買はれたり、己が身に於て神に光榮を歸し奉れ。 ¶