1ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムのうた 2否なんぢらは心のうちに惡事をおこなひ その手の強暴をこの地にはかりいだすなり 3あしきものは胎をはなるるより背きとほざかり生れいづるより迷ひていつはりをいふ 4 5かれらの毒は蛇のどくのごとし かれらは蠱術をおこなふものの甚たくみにまじなふその聲をだにきかざる耳ふさぐ聾ひの蝮のごとし 6神よかれらの口の歯ををりたまヘ ヱホバよ壮獅の牙をぬきくだきたまへ 7願くはかれらを流れゆく水のごとくに消失しめ その矢をはなつときは折れたるごとくなし給はんことを 8また融てきえゆく蝸牛のごとく婦のときならず産たる目をみぬ嬰のごとくならしめ給へ 9なんぢらの釜いまだ荊蕀の火をうけざるさきに青をも燃たるをもともに狂風にて吹さりたまはん 10義者はかれらが讎かへさるるを見てよろこび その足をあしきものの血のなかにてあらはん 11かくて人はいふべし實にただしきものに報賞あり實にさばきをほどこしたまふ神はましますなりと