1百合花のしらべにあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のをしへのうた 愛のうた 2なんぢは人の子輩にまさりて美しく文雅そのくちびるにそそがる このゆゑに神はとこしへに汝をさいはひしたまへり 3英雄よなんぢその劍その榮その威をこしに佩べし 4なんぢ眞理と柔和とただしきとのために威をたくましくし勝をえて乗すすめ なんぢの右手なんぢに畏るべきことををしへん 5なんぢの矢は鋭して王のあたの胸をつらぬき もろもろの民はなんぢの下にたふる 6神よなんぢの寳座はいやとほ永くなんぢの國のつゑは公平のつゑなり 7なんぢは義をいつくしみ惡をにくむ このゆゑに神なんぢの神はよろこびの膏をなんぢの侶よりまさりて汝にそそぎたまへり 8なんぢの衣はみな没薬蘆薈肉桂のかをりあり 琴瑟の昔ざうげの諸殿よりいでて汝をよろこぱしめたり 9なんぢがたふとき婦のなかにはもろもろの王のむすめあり 皇后はオフルの金をかざりてなんぢの右にたつ 10女よきけ目をそそげ なんぢの耳をかたぶけよ なんぢの民となんぢが父の家とをわすれよ 11さらば王はなんぢの美麗をしたはん 王はなんぢの主なりこれを伏拝め 12ツロの女は贈物をもてきたり民間のとめるものも亦なんぢの恵をこひもとめん 13王のむすめは殿のうちにていとど榮えかがやき そのころもは金をもて織なせり 14かれは鍼繍せる衣をきて王のもとにいざなはる 之にともなへる處女もそのあとにしたがひて汝のもとにみちびかれゆかん 15かれらは歓喜と快樂とをもていざなはれ斯して王の殿にいらん 16なんぢの子らは列組にかはりてたち なんぢはこれを全地に君となさん 17我なんぢの名をよろづ代にしらしめん この故にもろもろの民はいやとほ永くなんぢに感謝すべし